タイトル・竜機伝承 〜DRAGOON〜
発売年・1997(PS版)
機種・ PS等
ジャンル・S・RPG
メーカー・ケイエスエス勧善懲悪、ヒロインを守る、竜、と王道ファンタジーを構築する要素満載なS・RPGだ。
90年代後半ともなれば、これに豪華声優陣も付け加えましょうか。
それらすべてがピタリと合わさった時の交響曲は、題名を言えない程、流れるように、そして重厚に耳に心に共鳴する。
1996年にパソコンゲームで登場した竜機伝承は、まさにそんな王道ど真ん中を行くS・RPGでした。
1997年にPSに移植、さらには、OVA発売、ノベライズにドラマCDとメディアミックス、パソコン版では全三作がリリースされた。
クリエイターなら是非やってみたいと思うゲームのメディアミックスを、登場から2年以内にほぼやってのけた竜機伝承は、どんな作品だったのか。
まずは、今井由香(リリス役)さんが歌う「最初の勇気」のOPからスタート。
ゲーム画面とOP画面で画風が違うのは、OPはOVAを元にしているためだろうか。
妹の回復魔導師・ミリィ、そして両親と共にノーストン村で暮らす主人公・セディ。
ある日、街が襲われるという夢魔から目覚める。
彼が剣の修行のため、ノーストン雪原を行くと、謎の少女が騎士団に襲われている。
騎士団に見つかったセディは戦うことになり、騎士団を倒すと少女を救出。
謎の少女の名はミュウ、記憶がない。
セディは、ミュウの生まれ故郷を探す旅に出発するという、典型的なボーイミーツガールな展開を以てストーリーは進んでいく。
公式ジャンルは、S・RPGという形をとっているが、普段の移動は、コマンド型のRPGと同じ形をとっており、フィールド画面があれば、アイテム・武器を買える町、HP回復のための宿屋、王国の城、洞窟や神殿といったダンジョンも存在する。
固定ポイントにて、先述の騎士団に見つかった、特定ポイントでダンジョン等で敵と遭遇した、というイベントが発生し、それをS・RPG方式の戦闘を以てクリアしていくことで、話は進行する。(他にもある場所でフリーバトルもある。)
S・RPGでの戦闘は、キャラそれぞれに、行動ポイントがあり、移動に1P消費(一部それ以上)、攻撃・アイテムに5P、固有技にそれぞれ、8P、10P等定められている。(MP等は存在しない)
あるキャラが15P持っていて、攻撃→必殺技→移動という行動パターンをとれるが、敵キャラも同様で、初期配置から15マス程一気に接近することもある。
レベルがあがるとクラスチェンジを可能だが、特定のレベルになれば、メニュー画面経由であっさりと出来てしまう。
攻撃すると戦闘画面に切り替わり、それなりの頭身で描かれたキャラが剣を振る、魔法を唱える等で闘う様子が描かれる。
一応、戦闘の目的、敗北条件が戦闘前に提示されるものの、全戦闘が、敵の全滅、味方の全滅だった。
例え、直前のデモシーンで「○○まで逃げろ」と仲間に告げられたとしても。
戦闘が終わると、戦闘不能者はHP1で復活するが、HPの回復は無し、これは中盤は特に気を付けたい。(詳しくは後述で)
経験値はレベルが低いと、1体撃破しただけで、2レベルもあがることもあり、逆に高いと、撃破しても5しかもらえない。(1レベルアップの経験値は一律100)
低レベルキャラへの救済が充実していると言っていいだろう。
戦力としても重要な人物が途中離脱したり、前の街に戻れないケースが多発したり、ストーリーの都合でゲームの戦略が大幅に狂うケースが多かった。
回復魔法使いのミリィが長期離脱することもあり、戦闘中のHP回復がアイテムのみとなるのは、できれば避けてほしかったところだが。
また、最終ダンジョンは、入ったら戻ることができず、乗り込んだ時点で町でのアイテムの補充は不可能となる。
戦闘そのものの難易度の低さで救われてはいるのだが、それでも、回復アイテム買い忘れたという状況になれば、数十分前の時間に遡るか、回復魔導師でなんとか凌ごうの、苦しい選択を迫られる。
ラストも確かに意外な形で、それでも心地よく締めくくられる。
だが、あのラストバトルの後、もう一戦あってもよかったのでは。
あの人物と共闘することで、全てをようやく片づけられるはずではと思ってしまう。
何より、ラスボス撃破後にいきなりゲーム中初めて出てくる種族を言われても…。
王道ストーリーは見てて安心感があるのは確かだ。
しかし、今作のストーリーとゲームの二重奏は所々で不協和音を起こし出していた。
あらゆる芸術分野の総力を結集して一つのゲームのハーモニーを奏でる難儀さ。
ゲームの主人公にとって「君」になれるヒロインはたくさんいる。
ゲームプレイヤーにとっての「君」になろうとするゲームは、なにかと絶えない苦労を乗り越えなければならないようだ。
お勧め度
9/20